・変容する時間感覚。
僕たちの時間感覚や情報の扱い方は、まだ数世紀の歴史しか持っていない。精密な時計が発明されたことで、生産性を客観的に測る指標が生まれ、それが労働力の管理と資本主義の誕生を促した。
情報を印刷物として保管して、図書館や書庫などの空間に配置することで、人々は時間を可視化できるようになった。古い情報から新しい情報が秩序正しく整理されていて、文字化された情報を見ることができる。
デジタルではない世界は、「見ることができる時間」によって支えられている。本棚に収納されている書物のバックナンバーは、そのもっともわかりやすい形だ。
形のなかったものが視覚化される。時間は目に見える時計の針になり、言葉は紙に印刷されるようになった。これを僕たちは当たり前のように錯覚するけれども、時計と印刷術が普及するまでは、時計のない時間の中で人々は生きていて、音が空気に融ける言葉を使っていた。
過去の情報に簡単にアクセスできるようになってから、僕たちは過去というものを意識するようになった。過去を文字として記録し、必要なときに参照できる。このプラットフォームが僕たちの時間意識に大きく影響している。