・ちんちんぴろぴろりーん♫教の祈り。


・バカは黙っていろの空気

あるスーパーのコンサルタントが「一番売れない商品を処分して、経営を効率化しましょう!」と提案した。店主は「それはいいアイディアだ。早速その商品を処分しよう……で、コンサルタント君。次に一番売れていない商品は何かね?」
一番売れない商品を処分したら、二番目に売れていなかった商品がワーストになる。それと同じように、役に立たない障害者をこの社会から排除したら、次には生産性が一番低い人間になり、その人たちもいなくなったら次は生産性が二番目に低かった人々が排除の対象になる。

おれは長い間、「頭が悪いのでネットでは黙っていよう。何か喋っても愚かさを露呈するだけだ」と思って何も書けずにいた。「バカは黙っておとなしくしていろ」という言葉を真に受けるぐらいには頭が悪いが、それを遵守するとなるとバカよりも少しだけ賢い人間に、「バカは黙っていろ」という罵声が浴びせられることになる。
それだけではなくて、「自分みたいな教養のない人間ではなくて、もっとほかの頭の良い人が自分のいいたいことを、わかりやすい形で代弁してくれるに違いない」と、他力本願な気持ちを抱いてしまう。そうなると、すげえあたまのいい大学のとてもあたまのいい学部を卒業した中でも、よりすぐりのあたまいいピープルにしか、自分の思っていることを語れなくなってしまう。
バカは黙っていろ。余計なことを考えずに、言われたことだけに従っていればいいんだ。だってお前の頭は悪いのだから、いくら考えてもろくな考えは出てこない。
事実そうかもしれないが、「バカは黙っていろ」というのを実際に社会制度として作り上げていくとなると困ったことになる。女は男より劣っているから、選挙権は必要ない。あるいはジョン・スチュアート・ミルが主張したように、職業の貴賤によって投票数に差をつけるというコンセプト。(医者や弁護士は、非熟練労働者に比べて6倍の票を持つ←このへんはうろ覚えだ)
人間を序列化して、その優劣に従って差をつける。知識があって、自発的に社会問題に関心を持っている人間が有利になるような選挙制度のほうが望ましい。あからさまに差をつけるのではなくても、連続投票ボーナスで投票が一人一票から1.1倍ずつ増えていくとか、時事問題テストをやってその得点で投票数にボーナス補正がかかるとか、いいやりようがあるのではないのか?と思っていた。
でもそれって「バカは黙ってろ」の社会だ。
ポピュリズムやフェイクニュースにたやすく扇動されるような、フラジャイルな民主主義のことをおれはあまり好ましく思ってはいなかったのだけれども、じゃあ頭の良いやつだけですべての物事を決めようとしたら、バカは黙っておとなしくしていろ、という居心地の悪い社会ができあがる。
でもおれはバカだからどうしたらいいのかわからん。しかしもっとあたまがわるくなるひつようがある。

・ちんちんぴろぴろりーん♫

 それゆえにおれはもう、ちんちんぴろぴろりーん♫以上に知能指数を必要とする発言をしないことにした。ちんちんぴろぴろりーん♫とリズミカルに口ずさんでみてほしい。ちん・ちんで肩を上下に動かし、ぴろぴろのときにはゆるくガッツポーズをするような感じで拳を上に突き出す。りーん♫は、大地の重力をすべて振り切って、昇竜拳をするようなイメージだが、拳を握りしめてはいけない。完全に脱力しろ。羞恥心は捨て去れ。脳みそも複雑なことが考えられないように、強制的に麻痺させるのがコツだ。意味があるのか無いのかは無視して、ちんちんぴろぴろりーん♫という言葉の響きに身を委ねる。そうして魂が解放されたような感覚になれば、おまえはちんちんぴろぴろりーん♫の真髄を理解したことになる。
 この言葉を口にすることで知能指数は下がる。
 これは極めて真剣な政治的トピックについて扱っている。ちんちんぴろぴろりーん♫がただの妄言にしか聞こえないのも当然かもしれないが、それはまだ我々の魂がちんちんぴろぴろりーん♫の地平に開かれていないからに他ならない。

・ちんちんぴろぴろりーん以外に伝えたいことがない。

おれが誰かに伝えたいことがあるとすれば、それは「ちんちんぴろぴろりーん♪」以外にはない。人からあたまがよくおもわれたいなー♪と考えるのは頭が悪い証だ。小難しいことを考える前にちんちんぴろぴろりーん、と歌え。まずはそれからだ。 教養は自然ににじみ出てくるもので、決して見せびらかせるものではない。
人間は考える葦である。叡智の人(ホモ・サピエンス)、霊長類といった、人間が知恵を有する唯一の動物であるという傲慢を手放し、欲望に囚われる愚かな生物であることを片時も忘れないために、ちんちんぴろぴろりーんという言葉を繰り返す必要がある。この魔法の言葉は人間から高慢と強欲を洗い流す。
人間中心的な世界観によって、我々の住む世界は危機に瀕している。我々は地球の主のように勘違いしているが、文明の庇護を失えば我々はちんちんまるだしの脆弱なほ乳類でしかなくなる。
ただ、ちんちんぴろぴろりーんもジェンダー的に偏っているのではないのかという指摘もある。しかし注意しなければならないのは、ちんちんぴろぴろりーんは男系社会に対する反逆であるという点だ。男尊女卑の社会は人類が定住してから形成されたと言われる。狩猟採集時代はめんどうくさい男がいても、さっさと逃げ出せばよかった。だが農耕文化が広がり、一カ所に定住するようになると逃げる方法がなくなった。そうなると腕力が強いだけの男が暴力と権力を振りかざし、富を独占し、男尊女卑の制度を確立した。
・参考URL https://www.newscientist.com/article/mg23831740-400-the-origins-of-sexism-how-men-came-to-rule-12000-years-ago/
我々が志向するのはやわらかくしなやかなちんちんであり、雄々しくそそり立った男根ではない。
剣や銃、核兵器などの武器はすべて、ペニスの象徴だ。言ってみれば道具として勃起したペニスを再生産したに過ぎない。ちんちんぴろぴろりーんの魔法を唱えれば、剣は錆び付き、銃は弾倉を失い、核兵器は廃絶される。なぜか。それがちんちんぴろぴろりーんの本質だからだ。ちんちんぴろぴろりーん♪