「四連星」という推し布石


この記事では推し布石である「四連星」を布教していく。
スピードが速くて、碁盤の半分を瞬く間に自分の勢力圏にしてしまう。入り込んできた敵石を攻め立てて主導権を握りながら、自動的に地を固めていく。置き碁でも応用が利き、難しい布石の知識が不必要で、自然と戦いの力が付く。(※戦闘に強くないと勝ちきれないという意味でもある)

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・スケールが大きくて打っていて楽しい。
「そんなカスみたいな隅の地はくれてやる」作戦によって、白に右下隅と上辺の地を与えた代わりに、右辺に大きな模様を作ったときの図。これがすべて黒の地になるわけでは無いが、この黒模様をどうにかするために白は無理な手を打たなければならなくなり、それを更に攻めることでまた有利になっていく……という好循環に繋げていく。

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・「地は忘れろ!戦って勝て!」が四連星の精神なので、早い段階で確定地を作らない。
四連星では勢力圏を広げて、単騎突入してきた敵にカウンターを食らわせることを意識する。
黒17はコスミツケと言って、相手の根拠を奪いながら攻める常套手段だ。このあたりの攻防は覚えていて損は無いので徹底的にやろう。アマチュア低段ぐらいでも間違った手を打ってくるので、咎め方をしっかりと覚えていれば序盤で優勢を築ける。

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・四連星は地に甘くて隙の多い。
四連星に弱点が無いわけでは無い。地に甘くて隙の多い布石であり、地を削る方法はいくらでもある。しかし弱点が多いことは長所でもある。相手がある弱点を攻めると、自然と自分の石も強化されて別の弱点が塞がれる。どうやってもすべての弱点は守れないのだから、いくつかは相手に明け渡すことを前提で布石を進める。
むしろ「勢力圏に入ってきてくれてありがとう!」という気持ちを持ったほうがいい。わざわざ味方の石が多い場所に来てくれたのだから、上手く反撃できれば得点を稼げるボーナスタイムである。

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四連星は「相手を攻めると同時に自軍を強化する」という感覚を育成するのに適した布石だと思う。最初は自分の地を稼ぐ手だけを打ってしまいがちなのだけど、攻撃と防御を同時に行える手を意識するだけで打ち方は変わってくる。
覚える定石も少なくて済むし、後々は三連星や二連星にもシフトしていくことができるので、習得したことが無駄になるということがない。興味があったら試してみてくれ。