・インターネットカツ丼クラスタから逃げてきた。


カツ丼にまつわる言説が嫌なのではなくて、不適切な方法とタイミングでカツ丼情報をタイムラインに流し込まれるのがストレスになっていた。カツ丼への知見を深める情報を得たいだけなのに、「あのカツ丼屋の店主はクソだ」とか「あんなカツ丼を食って喜んでいるやつは、本物の味を知らないアホ」といった、怒りや負の感情に満ちた情報が目に触れてしまうのは、感情汚染のように感じられるのです。
いい悪いではなくて、疲れていて消化のいいものしか食べたくないときに、カツ丼大盛りが運ばれてくれる。ぼやーっと受動的にどうでもいい情報を消費したいときに、情報リテラシーや思考力を求められる話題が流れてくるようなものだ。
いまは軽い食事がしたいというニーズを無視して、「カツ丼食べないとだめだよ。そんな栄養のないジャンクフードばっかり食べていないで、カツ丼食べよ!カツ丼おいしいよ!」とカツ丼をごり押ししているあいだに、カツ丼嫌いの人間を増やしているんじゃないのかなー、と思うことがある。

自分もカツ丼自体は嫌いではないが、毎日のようにカツ丼ばかりを食べたいわけではない。カツ丼はおいしいのだが、カツ丼屋に並んでいる常連客のマナーが悪いので自然と足が遠のいてしまった。そろそろカツ丼という文字列がゲシュタルト崩壊してきたぞ。
そういうことが続いたので、インターネットカツ丼クラスタには関わりたくねえな……と思って逃亡している。このブログや記事は、スーパーでトンカツを買ってきて、一人でカツ丼を調理して、好きなときに食べているような感じの場所なのです。カツ丼を食べたくない人や、カツ丼と聞いただけで警戒する人には、カツ丼の話題をごり押ししないのが流儀だ。
ちなみにピュアカツ丼派からは異端視されるのだけど、金のないときには「コロッケ丼」のお世話になった。
スーパーの半額メンチカツや牛肉コロッケを買ってくる。100mlぐらいに薄めためんつゆで薄切りにしたタマネギをゆでて、コロッケを入れる。火が通ったら溶き卵を流し入れて、火を止めて、30秒ぐらい蒸らす。旨い……という貧困メシシリーズのレシピなので、カツ丼を作るお金がないときにはいちど試して欲しい。
(※カツ丼を政治に置き換えて読んでください)