・メディアの印象過多について
テレビで白血病の闘病記を見ていたのだが、チャンネルを変えたくなってしまった。写真や映像で見た場合の印象が鮮烈すぎて、闘病の苦しさを受け止められなかった。これが文章だったら印象が和らぐのだが、映像として見るのは刺激が強い。東日本大震災の津波映像も、テロや銃撃事件の現場で取られた映像も、児童虐待のニュースも、生々しすぎて神経が耐えられない。
世界中の悲惨なことを映像で報道できるようになった結果、それがあまりにも印象過多になる。その結果、ネガティブな世界観を自然と遠ざけている。
文字情報だけなら「世界にはこんな酷いことがあるんだね」で済ませられることが、ニュースになると精神が削り取られて憂鬱になる。
映像で現実の悲惨さを伝えられるようになっても、自分たちの精神は残虐さに耐えられない。報道のために表現をマイルドにせざるを得ないのだが、そのことで逆に実態から遠ざかっていく。